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インタビュー

BEAT CULTURE メロ for SmartPhone

Zeebra / Black World White Heat

Zeebra
Black World White Heat
BVCL-276~7/3,800円(tax in)

日本を代表するラッパーのZeebraが、ハードコアな『Black World』とポップな『White Heat』の2部構成となったニュー・アルバムをリリース。従来のスタンスを維持しつつ、新たな方向性をも指し示した注目の作品だ。


ハードコア・スタンスを守りつつも、より広い可能性を常に意識しながらさまざまなアプローチを実践するZeebra。日本を代表するラッパーとして広範な層に認知される彼に、ニュー・アルバムにまつわる思いをインタビューした。

INTERVIEW with Zeebra:

Zeebra
――今作は4年2ヶ月ぶりですが、レコーディングはいつから?
Zeebra: シングルの“Butterfly City”(PS3ソフト/SEGA『龍が如く4~伝説を継ぐもの~』テーマ・ソング)が2010年の3月リリースだったから、たぶん2年前ぐらいからですね。
――2作構成にしようと思った理由を教えてください。
Zeebra: 単純に、時間が空いたからですね。その間にも表現欲はずっとありましたし、“やり切ってない感じ”を解消したかったんです。だからパーティーとか恋愛がテーマになってて女の子でも聴ける『White Heat』と、ゴリッとした音の『Black World』に分けて。俺のなかでは、(ハードコアだった)セカンドと(ポップだった)サードをまとめて出してる感じ。

――トピックのひとつが、東京スカパラダイスオーケストラとのコラボレーション“Gang On The Backstreet”ですね。
Zeebra: そうですね。今回は、いままでやったことのないコラボをやってみたかったんです。で、俺も今年で40歳になったし、年齢相応な男らしいコラボをしようと。スカパラ側からも『ジブラとやるんだったらサシでやりたい。しかも、悪かっこいい路線がいい』って話がきて(笑)。
――無理のない流れですね。
Zeebra: スカパラがやってるスカという音楽はブラック・ミュージックのルーツだし、かたちになることは予想できたんです。ただ、いつものスカパラみたいな明るい曲になるのかなーとも思ってたら、予想外の展開になって(笑)。ラップとガチでいくようなオケを出してきてくれたし、すごく楽しかったですね。
――“Gang On The Backstreet”のラップは、いままでになかった雰囲気ですね。
Zeebra: 無意識なんですけどね。俺のラップは、オケのキーに応じてキーが自然と上がったり下がったりするので。だから、パッと聴いて歌い出すと声が高かったり、かと思えば低かったり。サード・アルバムぐらいから『メロウな路線もハードコアなスタイルも、両方とも俺の武器だ』って思うようになってきたんです。だから、その辺からいろんな要素を共存させるようにしています。
――“Android”も、声の使い方が印象的でした。
Zeebra: 今回いちばん意識したのがサビのつくり方とか曲のつくり方で、“Android”は一曲のなかに4種類の声が入ってるんですよ。声を楽器として使ってるというか、声の強弱、張ったとき、押さえたときの声色の変わり方とか、そういうのを自由自在に使うっていう。
――環境問題に触れた『Black World』の“Blue”は311を意識した曲ですか?
Zeebra: あれは、実は311以前に作ってるんですよ。ちょっと予言みたいになっちゃったところもあって恐いんだけど、実は北朝鮮と韓国の砲撃戦があったときに書いたんです。ですけど、1番が見事にぴったりハマる歌詞になっちゃって。
Zeebra
――そうだったんですか。
Zeebra: 11後にそのことを書いたのは“Keep On”です。震災直後にKGDR名義で出した“アポカリプスナウ”は、起きた問題を斬る東電糾弾みたいな曲。で、それとは対照的に『さあどうする?』って人々に向けた曲を作りたかったんです。
――“Love Shines(Butter Smoother)”はDJ HASEBE、Sugar Soulとの久しぶりの共演ですね。
Zeebra: 俺とHASEBEは、アイコ(Sugar Soul)をなんとか引っぱり戻そうってずっと考えてたんですけど、HASEBEが20周年イヴェントを『ageHa』でやったときにアイコも出るらしいっていうことになって。で、『録音もやりたいよね』って話をしたら、奴も奴で朝本さんとのKAMを本気でやるってことになったから、Sugar Soul名義もたまにやろうってことになったんです。もちろんこれからも機会があればやりたいし、アイコは完全に、いつでも振れるコマのひとりだと俺は思ってるんで。
――ところでジブラさんは、4人の子持ちなんですよね。
Zeebra: いま長男次男はアメリカの大学に行ってて、休みのときに帰ってくる感じなんだけど。もう大学3年の20歳と2年の19歳。長男はすげえ大人で、家でも若頭っぽいんだけど、次男がねえ……(笑)。本当にねえ、下の子っていうのはああいう感じなんだなっていう。ノリで生きてるみたいな奴で、ほんと心配なんですけど(笑)。で、下には9歳と8歳の娘がいます。
――特に息子さんたちは、父親がラッパーだと影響を受けたりしませんか?
Zeebra: でも俺はあいつらに、『音楽をやりなさい』みたいなことを絶対に言いたくなくて。やりたい奴はやがてピックするし、勝手に始めるだろうなと思ったから。もちろん聴かせたりはしたけど、なにかやらせるつもりはまったくないんですよ。中学の卒業式で次男がいきなりラップしたりとか、そういうことはありましたけどね。しかしまあ長男も次男も、音楽は基本的にヒップホップも含めたダンス・ミュージックみたいなものが好きで。次男はボストンだから、ちょっと白人系の感じ。で、長男は高校がハワイでいまはL.A.だから、もうちょっとノンビリしてて、最近だったらブルーノ・マーズとか大好きみたいな(笑)。なにもする気しねえみたいな日は、ああいうのかけてボケーッとしてるようなタイプだから。

BIOGRAPHY:

■Zeebra


Zeebra

1995年、K-DUB SHINE、DJ OASISと結成したキングギドラのラッパーとして登場し、日本語ラップ・クラシック『空からの力』を送り出す。キングギドラ活動停止後はソロ・デビューし、1998年にファースト・ソロ・アルバム『THE RHYME ANIMAL』をリリース。以後も名作と名高いアルバムをコンスタントにリリース。また1999年のドラゴン・アッシュ“Grateful Days”など、ジャンルを超えた客演も積極的にこなす。2010年にAriola Japanへ移籍し。3月にニュー・シングル「Butterfly City Feat.RYO the SKYWALKER, Mummy-D & DOUBLE」をリリース。MR.BIG の「Take Cover」をサンプリングしたシングル「Fly Away」、「Endless Summer feat. COMA-CHI」、「Blue Feat. AI」等を経て、2011年12月、4年2カ月振りのオリジナル・アルバム『Black World/White Heat』をリリースした。

オフィシャルサイト:
http://www.zeebra.jp

LABEL HP:
http://www.sonymusic.co.jp/Music/Arch/ARI/zeebra

© Griot